位置情報のプライバシーに関するデザイン – WWDC2020

Session概要

iPhoneやiPadのユーザーは、正確な位置座標ではなくおおよその位置を共有するなど、使用中のアプリに対して位置情報をどのように共有するかを指定することができます。これによってデバイス全体の体験がよりプライベートなものとなり、位置データに依存したアプリや位置データを使ってその体験の特定要素を補足するようなアプリの全てに影響を与えます。
マップアプリのデザイナーがマップインタフェース内の要素をどのようにリデザインしてプライバシーの改善を実現したかを紹介し、位置情報データを安心して快適に共有できるインタフェースを作成するためのヒント、テクニックや戦略について https://developer.apple.com/videos/play/wwdc2020/10162/

iOS 14でのCore Locationの変化

  • iOS 14からCore Locationでユーザーがおおよその位置情報を共有できるようにすることで新たにデータをコントロールできるようになった
    • このことにより、正確なロケーション情報を取得しなくてもアプリでの別のアプローチを提供できたり、ユーザのプライバシー保護へのアプローチが改善された

位置情報のプライバシー保護のための3つの原則

  1. ユーザーコントロールを優先する
    • 誰もが位置情報をコントロールして、自分の好みを共有し尊重できるようにする
    • Mapアプリではどのような種類の位置情報を共有していても、アプリが人々のためにうまく機能するように改善された
      • 地図上のおおよその位置にアノテーションをつけるようにした
      • アプローチとしては、おおよその位置を示すために陰影のある円形エリアの設計
    • ユーザーが共有しているアクセス制限に応じた、アプリの表示を行うようになっている
  2. 透明性を確保することで信頼を築く
    • アプリがどのようなデータを使用し、そのデータがどのように使用されるかを明確にする
    • データの使用状況とその価値提供を明確な文章でユーザに説明する
  3. 共有するデータと引き換えに比例する価値を提供する
    1. 例えば、Mapアプリでナビゲーションを使用する場合は正確な位置情報が必要となるため、ユーザに一回限りのアクセス要求を行ったりして一時的に利用可能にする
    2. 機能上必要な場合のみ、正確な位置情報を要求するようにする

正確な位置情報ではなく、
おおよその位置情報を取得していることがわかるように陰影のある円形エリア表示をしている
現在のアクセス許可状態をユーザに明示しつつ、機能を損なわない設計となっている
正確な位置情報を一時的に必要なタイミングでユーザに許可を求め、
明確な説明文をユーザに伝えるようにする
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